不妊治療用語解説

体外受精の流れについて解説します。

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体外受精の流れについて知りたい方へ

現在、不妊治療をしていて、担当医から体外受精を勧めらたけど、どんな治療か理解出来ていない、どのくらいの費用がかかるのか目安を知りたい、と考えていませんか?

本記事では下記の内容を解説します。

 

1. 体外受精の流れ

体外受精とは、卵巣から直接卵子を取り出し、体の外で精子と受精させて、受精卵を培養し、子宮内に戻す治療です。

日本では毎年4-5万人の赤ちゃんが、この方法で出生しています。

ここでは体外受精の基本的な流れについて解説します。

1-1. 排卵誘発〜採卵まで

月経1-3日目

ホルモン値採血、超音波検査で卵巣や子宮の状態を確認します。
内服薬や注射で、卵巣を刺激して卵胞を育てます。(排卵誘発について詳しくはこちら)

月経7-10日目

超音波検査で卵巣を確認し、卵胞がどのくらい育っているかを測定します。
卵胞の育ち具合で注射や内服薬、採卵日を微調整します。
排卵が近い場合には、採血でホルモン値を測定し、排卵日をさらに正確に予測します。

月経10-13日目(採卵予定日の2日前)

採卵予定の2日前の23-24時に点鼻薬あるいはhCGの注射を行い、卵子の成熟を促します。
これらの薬剤によって、およそ36時間後に排卵するため、その前に病院で採卵します(だからこそ、薬剤を使用するタイミングが2日前の23-24時と正確な時間になっています)。

月経11-14日目(採卵前日)

21時以降は絶飲食です。

月経12-15日目(採卵日)

内診台に上がり、麻酔を行なって採卵を開始します。
麻酔は病院によって違いますが、多くの場合は局所麻酔か、静脈麻酔が行われます。
超音波を併用しながら卵胞の位置を確認し、腟に細い針を通して直接卵胞を刺します。
注射針で卵胞から卵子を回収して、止血を確認したら終了です。

採卵は5-20分程度で終わることがほとんどですが、採卵後は一旦休んで、2-4時間後に帰宅になります。

1-2. 受精方法と培養

夫から採取した精子のうち、運動性の悪い精子や死滅精子を取り除いて健康的な精子だけにする、精子調整を行います。

採卵してきた卵子に精子をふりかけ、受精させます。

精子の状態が悪い場合には顕微授精を行います。

顕微授精とは、顕微鏡下で卵子に直接精子を注入して受精させる方法です。

卵子の状態が良く、受精がうまくいった場合には、受精卵を初期胚、あるいは胚盤胞という状態まで培養して育てます。

育てた胚は、一旦凍結保存し、女性側の体調や子宮内環境を整えてから融解して移植へ進みます。

(以前は採卵して受精させて培養し、その治療周期のうちに女性に移植する「新鮮胚移植」が行われていました。しかし、採卵に使用する排卵誘発剤の影響で、そのまま妊娠させてしまうと卵巣過剰刺激症候群になるリスクがあることや、凍結胚融解移植の方が妊娠率が高いことが判明してきました。そのため新鮮胚移植は現在ではほとんど行われなくなっています。合併症が減り、かつ妊娠率が高い凍結胚の融解移植が一般的になりつつあります。)

1-3. 胚移植

凍結した胚を融解し(つまりとかして移植できる状態にする)、子宮に移植します。

この時も超音波検査を使用して子宮内のどこに移植したかを逐一確認しつつ、カテーテルで融解した胚を子宮内に送り込みます。

この時、SEET法やアシストハッチングという技術を使用する場合もあります。

胚移植後は妊娠を維持するためにホルモン薬を補充する場合があります。

移植した日から7-9日後に妊娠判定を行います。

2. 体外受精でかかる費用

ここでは体外受精にかかる費用について解説します。

自費診療のため、各施設で必要な費用や計算方法が異なる場合があり、ここで紹介するのはおおよその値段の目安となります。詳しくは現在通院している施設のホームページを確認してください。

2-1. 排卵誘発〜採卵までに必要な費用

採卵は失敗する場合もあるので(卵胞が育たなかったり、注射針を穿刺して卵胞内容を吸引してきても卵子が採れない場合がある)その場合は採卵失敗となり、採卵機材の費用を負担することになります。

排卵誘発剤の費用 5000-50000円
麻酔費用 30000-50000円
採卵費用(採卵失敗した場合) 20000-60000円
採卵費用(採卵成功) 60000-200000円

2-2. 受精方法と培養に必要な費用

精子調整 5000-70000円
体外受精 50000-400000円
顕微授精 80000-450000円
初期胚まで培養 20000-50000円
胚盤胞まで培養 20000-100000円
凍結保存費用 10000-100000円

2-3. 胚移植で必要な費用

凍結胚の融解費用 20000-60000円
胚移植 20000-300000円
SEET法 10000-70000円
アシストハッチング法 20000-30000円
成功報酬 0-400000円

※成功報酬とは、その治療で妊娠した場合に発生する費用です。

この報酬制度がある施設では、一回あたりの治療でかかる費用が少なく、妊娠した場合にたくさんの費用がかかるように設定されています。

 

体外受精のトータル(排卵誘発、採卵、受精、凍結、胚移植まで)の値段の目安:安い施設で30万円前後、高い施設で100万円前後。

 

まとめ

今回は体外受精の流れについて解説しました。

しっかりとした生殖医療専門の施設であれば体外受精の流れ自体はほとんど同じです。

値段については各施設で大きく違いますが、そこは通院している施設で明示されていますので確認してみましょう。

 

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