不妊治療用語解説

AMHが低くても妊娠できるのか、AMHの本当の意味とは?

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不妊治療で病院に通っていて、AMHが低いと言われてしまったあなたへ。

AMHが低いと妊娠できないのか?そもそもAMHとは何なのか?わかりにくいし低いと言われると何だか不安ですよね。

本記事ではAMHが低いことと妊娠率の関係、AMHの意味を解説します。

 

1. AMHについて

1-1. AMHの意味

AMHとは「卵巣予備能」を推定する数値です。

まずは卵巣予備能について解説します。

年齢が上がるほど、卵子と卵胞の質、量ともに低下していきます。卵巣に残っている卵子の数と質が総合的な妊娠する力を左右しますが、このうち、卵子の残り数を「卵巣予備能」と表現します。

「卵巣予備能が高い」ということは卵子が多く残っている、ということです。

「卵巣予備能が低い」ということは卵子が少なくなってしまっているということです。

ここで気をつけなければいけないのが、卵巣予備能が高いことが、そのまま妊娠率が高いというわけではないことです。

残っている卵子の数と、その卵子がちゃんと育って妊娠できるかは別の話というわけです。

卵子がちゃんと受精してくれるかどうか(卵子の質が良いかどうか)は年齢と相関すると言われます。

わかりやすく表現するならば

残っている卵子の数≒卵巣予備能≒残された期間

年齢≒卵子の質≒妊娠率

となります。

 

ここでAMHの話に戻ります。

AMHとはAnti-Mullerian hormone(アンチミューラリアンホルモン)の略であり、発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンです。

採血で数値を調べます。AMHは卵巣内にどのくらい卵子が残っているかを反映しています。「どのくらい卵子が残っているかを反映している」点がポイントです。

AMHはあくまでも卵巣予備能を示すだけで、卵子の質や、卵子がちゃんと育つかどうかまでは反映していません。

AMHが低いと妊娠できないのでは?と考えてしまう方が多いのですが、あくまでも残っている卵子の数を示すに過ぎず、不妊治療をできる期間を示しているだけです。

つまりAMHが低いからといっても妊娠はできるのです。卵子が受精できるか、受精した後ちゃんと育つかは年齢と関係しています。

AMH=卵巣予備能=残っている卵子の数=残された時間

年齢=卵子の質=妊娠率

となります。そのため、AMHが低くても年齢が若ければ妊娠します。逆にAMHが高くても年齢が高ければ妊娠しにくいと言えます。

1-2. AMHの平均値と中央値

AMHは誤差が大きく、人によっても個人差が大きい検査です。

女性の卵子は、生まれたばかりの赤ちゃんの時点で約200万個、生理が始まる頃には約30万個に減ります。

そして生理が始まった後は1カ月に約1000個ずつ無くなっていくと言われています。

そのため、卵子は年齢が高いほど少なくなり、AMHも年齢が高いほど低い数値となります。

下表に年齢とAMHの平均値、中央値を示しました。併せてグラフも用意しました。

年齢(歳) 平均値(ng/ml) 中央値(ng/ml)
24 4.1 3.4
25 4.1 3.2
26 4.2 3.2
27 3.7 2.9
28 3.8 2.8
29 3.5 2.6
30 3.2 2.4
31 3.1 2.2
32 2.5 1.8
33 2.6 1.7
34 2.3 1.6
35 2.1 1.3
36 1.8 1.2
37 1.6 1.2
38 1.4 0.9
39 1.3 0.8
40 1.1 0.7
41 1 0.6
42 0.9 0.5
43 0.7 0.4
44 0.6 0.3
45 0.5 0.3
46 0.4 0.2
47 0.4 0.2
48 0.2 0
49 0.1 0.1
50 0 0

 

自分のAMHは年齢の平均値、中央値と比べてどうでしたか?

もし、AMHの値が低くても妊娠できないわけではありません。不妊治療に利用できる卵子が残り少ない、つまり残り時間が少ないと考えましょう。

少ないなら少ないなりにどうしたら良いのかをかかりつけ医としっかりと相談して治療するのが大切です。

たとえAMHが少なくても、少ない卵子の質が良ければちゃんと妊娠できる可能性があります。

1-3. AMH測定に必要な費用

AMH検査は自費診療となるため、病院によって値段が違います。

ほとんどの病院で5000-8000円前後で検査ができます。

2. AMH以外に卵巣機能を測定する検査は?

2-1. 卵巣予備能の検査その①卵胞刺激ホルモン(FSH)

FSHは下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモンです。卵巣予備能をチェックするためには「FSH基礎値」という数値が用いられます。

血液中のFSH値は生理や排卵の時期で変化するので、最もFSH値が低い状態(生理2-5日目)で測定した数値を「FSH基礎値」とします。

FSHはその名前の通り、卵巣を刺激して卵胞を育てるホルモンですが、年齢が上がるほど卵胞が育ちにくくなり、大きな刺激が必要となります。

そのため、FSH基礎値は、年齢が進み卵胞が育ちにくくなると上昇してきます。具体的には閉経が近くなると上昇するとされています。

FSH基礎値と生児獲得率(赤ちゃんが生きて産まれる確率)の関係を調べた研究があります。

FSH基礎値が18mIU/ml以上では年齢とは関係なく生児獲得率が極めて低かったのに対し、FSH基礎値が10-16mIU/mlの範囲にあった人は、FSH基礎値よりも年齢によって生児獲得率に差があったと報告されています。

 

2-2. 卵巣予備能の検査その②AFC(Antral follicle count)

AFC(Antral follicle count)は、生理3日目前後にエコー検査で確認できる卵巣内の胞状卵胞数のことです。

通常、女性には発育卵胞の初期段階の卵胞が20-150程度存在しますが、最終的に排卵する卵胞は1個です。

排卵に至るまでにたくさんの卵胞から一番排卵できそうな卵胞が選ばれていきます。

育ってきそうな卵胞(排卵できそうな良好な卵胞)は生理3日目にエコーで確認できる大きさとなります。

これら育ちが良さそうな卵胞(エコーで直径2-6mm)を数えてAFCとします。

育ってくれそうな卵胞数が多い=卵巣予備能が高いとされています。

また、AFCが高いと排卵誘発剤に反応しやすいと言われ、体外受精における、卵巣刺激に対する卵巣の反応性を予知する上で、非常に有用な検査とされています。

排卵誘発剤に反応しやすいということは卵巣過剰刺激症候群(OHSS)にもなりやすく、OHSSのリスク因子として検査されることも多いです。

 

まとめ

今回はAMHと、その他の卵巣予備能を測定する検査について解説しました。

AMHが低くても妊娠は可能です。落ち込まず、ぜひAMHの結果を今後の不妊治療に役立ててください!

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